原発問題

 「脱原発社会を創る30人の提言」を読み終えたので内容を一部ご紹介。
 説得力があったのは環境活動家の田中優氏。ためになったのは日本発の宇宙飛行士秋山豊寛氏や編集者鈴木耕氏や元毎日新聞論説委員の瀬川至朗氏。
 
 田中氏は電気消費量は料金システムを変えれば大幅に減らせるという。原発が国策で進められてきたということは、すべてが原発にいいようにできているということ。料金体系もしかり。企業ががんがん電気を使うのは、事業者用の電気料金は電気を使うほど得な料金設定になっているからで、電気量が増えれば発電所が必要になるというからくり。個人の節電云々の前に事業者用も家庭用と同様、使うほど電気料金が上がるようにすれば節電になるという。でもそんなことしたら企業には死活問題だろうな。経営が成り立たないところもでるかもしれない。ま、そこは政府が介入すればいいし、余力のある会社なら自家発電とかLED電球へチェンジなどの省エネ対策ならできると思う。
 もひとつ参考になったのがデマンドサイド・マネジメントという考え方。発電所の容量に合わせて需要をコントロールするというようなこと。具体例では冷蔵庫を省エネタイプに切り替えて領収書を持っていくと電力会社が3万円支払うという方法。実際カリフォルニア州原発をなくしてそうしている電力会社があるのだとか。たしかに原発作るより低予算だ。それにこれは技術や経済を発展させるという考え方とは違う。生き方の転換にもなるかもしれない。
 あと、何気なく書かれていたことですが、2002年に福島第一などの原発で事故隠しがあったことが内部告発でわかったけど、その告発者の名前を経済産業省原子力安全・保安院が東電に教え、告発者は職を失ったそうです。なんという!
 ほかにもさすが環境活動家、いろいろ知らないことをたくさん教えてもらいました。
 今まで反対運動する人って学生運動の延長で、戦うことが生きがいで、ライフスタイルに組み込んじゃってると思っていたけど、そんな偏見は持ってはいけないと思いました。たしかに何でも反対運動に顔を出すプロ市民はちょっと胡散臭いけど、ちゃんと活動している人はいろんなことを問題意識を持って調べているから、こんなに詳しデータとともに説得力のある文章がかけるんですね!

 …と、田中氏ばかり紹介してしまいました。。

 原子力ムラと呼ばれる利権集団が「焼け太り」を狙っていると秋山氏。これをうがった見方だとは思えません。この本を読んで、原発推進派による安全神話にいかに自分が洗脳されていたかということにも気づきました。

 国会議員だって大学の教授だって原発に反対すれば将来がなかったんだから、それでも反対する人の意見はよく聞いておかなくちゃ。これから反原発議員(自民党河野氏小泉純一郎氏、進次郎氏、民主党篠原氏)の動向に注目です。

 原発資料館行く?と夫。推進派の言うことも聞いたほうがいいのか。反対派が推進派が言うことがいかにおかしいか教えてくれてるけど。だいたい今回想定外で片付けられていたことは資料館にいっても説明されていないと思うけど反対派はそれこそ問題だといっていたことだろうし。夫は中電の株を持っている。そんなもの売っちまえ。